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世界の養蜂レポート

アピモンディア’99編

“第36回国際養蜂会議” カナダ大会に参加して

世界の養蜂家や科学者などが2年に1度集まるアピモンディア国際養蜂会議。第36回目の1999年は、カナダのバンクーバーで9月に開催されました。私は、世界の養蜂家たちの取り組みやアピセラピーの可能性を探るために本会議に出席。
豊かな自然に囲まれた都市で、さまざまな研究成果に触れ、アピセラピーの将来に対する確かな手ごたえをつかんで帰国しました。

マップ
世界の国や企業がミツバチ製品や関連情報を展示しているアピエキスポ会場

世界の国や企業がミツバチ製品や関連情報を展示しているアピエキスポ会場

  • 開会式で披露されたカナダ先住民族の踊り

    開会式で披露されたカナダ先住民族の踊り

  • ミツバチ生産の機械類も展示

    ミツバチ生産の機械類も展示

  • 案内女性の衣装もミツバチ風

    アジア各国の展示ブース内。
    さまざまな商品が並ぶ。

海と山に囲まれたバンクーバーに、世界の養蜂家、科学者たちが集いました。

成田空港からジェット機で8時間半、アメリカのシアトルに到着。そのまますぐに飛行機を乗りかえて約1時間、カナダ第三の都市バンクーバーに降り立ちました。バンクーバーはジョージア海峡に突き出た半島に位置し、前面を海に、三方を雄大な山々に囲まれたまさに自然と共生する都会です。海流の影響で雪は降らないそうですが、市街地からバスで30分ほど登った山には積雪があり、冬になるとバンクーバーっ子たちは学校や会社を終えた後、毎日のようにスキーを楽しむのだとか。何ともうらやましいほど豊かな時間を持つ町です。私が訪れた9月中旬はカラリと晴れ渡り、日中の気温が20℃を越える日でも、空気が乾燥しているせいかとても涼しく感じられました。
今回の旅の目的は、2年ごとに世界各地で開かれるアピモンディア国際養蜂会議に参加するため。この会議は世界の養蜂家、科学者、ミツバチ製品販売企業などが一堂に集まる大規模な催しで、すでに36回目を数えます。6日間の大会期間中には、さまざまな会議やシンポジウム、ワークショップが開かれ、多くの論文や研究などが発表されました。

  • 世界養蜂会議会場はバラード入り江に面したカナダプレイス

    世界養蜂会議会場はバラード入り江に面したカナダプレイス

ミツバチ産業の未来、アピセラピーの将来性など、さまざまなテーマで
会議が開かれました。

会議が開催されるコンベンションセンターに入ると、まさに人種のるつぼでした。世界60数カ国から約4千人にのぼる人々が、それぞれの言葉で再会を喜んだり、仲間の輪を広げたりしています。昨年、今年の夏と訪れたルーマニアの首都ブカレストにある国立ミツバチ製品医療センターの主任研究員クリスチーナ・マテースクさんに、ここで再会しました。(写真右)
本会議にはさまざまなプログラムが用意されていて、演説者は200人以上。とても全部に参加することはできません。そこであらかじめ興味深い講演などを事前にピックアップし、スケジュールを組んで来ました。
例えば13日(月)は、米国養蜂委員会主催の「21世紀のミツバチ産業を生き抜くための戦略」と題した会議で、「21世紀の販売戦略」「消費者、食品、健康、有望な蜂蜜」「有効な宣伝」などミツバチ製品販売に関する発表を聞くことができました。翌14日(火)は「蜂蜜療法の科学的基礎」というテーマで、アピモンディア・アピセラピー委員会副委員長のロック・ドメレゴ氏による「蜂蜜薬物の科学的基礎」という基調発表や、「蜂蜜を認定された薬物にするために」「HIV/AIDSに対する蜜蜂毒療法の進歩」「慢性的な痛みに対する蜜蜂毒療法」など最新のアピセラピーに関する科学的な研究発表の場に参加しました。とくに最先端のアピセラピーに関する報告には驚きの連続。エイズに対しての治療まで試みられている事実に、アピセラピーの将来性を強く感じることができました。

  • 共同研究先のルーマニア人、クリスチーナ(右)研究員と再会

    共同研究先のルーマニア人、クリスチーナ(右)研究員と再会

各国の研究者が、写真やデータを使ってさまざまな講演を行う

各国の研究者が、写真やデータを使ってさまざまな講演を行う

岡山大学の亀井教授のポスターセッションは高い関心と大きな反響を呼びました。

14日(火)午後には、山田養蜂場と共同研究を行なっている岡山大学亀井千晃教授と杉本幸雄助手がポスターセッションに参加。「ラットにおけるD‐ガラクトサミン誘導性肝臓障害に関するプロポリス抽出液の効果 」という独自の研究発表を行ないました。
ご存知のように、プロポリスはミツバチの巣のすき間や入り口、内壁などに付着している樹脂物質で、巣を病原菌の進入から守る働きがあるといわれています。今回の研究は、プロポリスがウイルス性肝炎に対して効果を持つ可能性があるかどうかを証明しようというもの。そのために、まずD‐ガラクトサミンという物質をラットに投与し、肝障害を起こさせました。そのラットをプロポリス抽出液で治療すると、明らかに改善効果が見られました。私たちはこの結果を踏まえ、おそらくプロポリスの主要成分であるフラボノイドには、肝障害を引き起こしている活性酸素を消す働きがあり、肝細胞が破壊されるのを防いだのではないかと考えています。  
同様の実験効果はすでに15年ほど前に報告されていたのですが、それが行われたのは試験管内でのこと。今回の研究ではそれを生きた動物で証明したという点で、同様の研究に着手している各国の研究者からも高い評価を受けるなど大きな反響を呼びました。
タイトなスケジュールの合間には、広いエキジビション会場で同時開催されているアピエキスポも見学。ここでは、国際ミツバチ協会による教育的展示をはじめ、世界各国の出版物、医薬品、化粧品など、ミツバチと蜂蜜に関するあらゆるものを展示していました。
私も、今後の商品開発に生かせるようなユニークなアイデアを求めて、じっくり見て回りました。とくに興味を持ったのは蜜ロウ(ビーワックス)製品の数々。私は常々、子どもたちが口に入れても安全な蜜ロウを使ったクレヨンを日本でも発売したいと考えています。現在、世界的に見てもビーワックスのクレヨンを製造販売しているのは、ドイツとデンマークの2社だけしかありません。アピエキスポをつぶさに見て、生活の中にできるだけ害の少ないものを増やすために、ミツバチというキーワードでできることはまだまだたくさんあるという手ごたえをつかんだ気がします。
大会の後半には、再び会議やシンポジウムに参加。最終17日(金)の夕方からは閉会式が行われ、次の開催国である南アフリカの代表者にバトンタッチされ、無事大会は終了しました。

  • 岡山大学亀井千晃教授(中央)と杉本幸雄博士(左)はポスターセッションで、プロポリスに関する独自の研究成果を発表した

    岡山大学亀井千晃教授(中央)と杉本幸雄博士(左)はポスターセッションで、プロポリスに関する独自の研究成果を発表した

  • 展示会場では世界各国のミツバチ製品を手にとってじっくりと見学

    展示会場では世界各国のミツバチ製品を手にとってじっくりと見学

  • 「ようこそアピモンディアへ」と英語・フランス語で書かれた会場入り口の横断幕

    「ようこそアピモンディアへ」と英語・フランス語で書かれた会場入り口の横断幕

  • アピセラピーのさまざまな可能性が発表された各講演会では熱心に耳を傾ける

    アピセラピーのさまざまな可能性が発表された各講演会では熱心に耳を傾ける

  • 壇上では貴重な研究発表が行われる

    壇上では貴重な研究発表が行われる

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