みつばちの意外なお話

世界の養蜂ことはじめ

かつて人類は、蜂蜜を得るために、
ミツバチの巣を奪取する「蜜猟」をおこなっていましたが、
やがて「養蜂」をおこなうようになります。
ここでは、比較的初期に養蜂が行われた主要な国を、
その時代が早いと思われる順にあげ、説明を添えておきます。

古代エジプト

古代エジプト時代の太陽寺院から出土したレリーフには当時の養蜂の様子が描かれ、紀元前5000年頃から養蜂家が職業として成立していた記録が残されています。

古代ギリシア

紀元前10世紀ころの土製円筒状の巣箱が出土。養蜂技術はエジプトから伝授され、ギリシアにおける技術の進歩はほとんどみられない。

古代ローマ

紀元前1世紀には商業的養蜂が成立しており、奴隷を使役した大規模な巣箱管理もおこなわれていた。ウェルギリウスが『農耕詩』第4巻に当時の養蜂技術を詳しく描写している。

イギリス

紀元前後、すでにヤナギなどの小枝で編んだ巣箱があった。

ドイツ

紀元前後の丸太や小枝製の巣箱が出土している。

アラビア

紀元ころ、ナツメヤシの空洞丸太を使用していた。

以上のように、ヨーロッパ大陸では各国とも陸つづきであるため、養蜂技術の伝授は比較的スムーズにおこなわれていたようです。一方アジアの中では中国の養蜂起源が最古かと思われ、従来は5世紀というのが通説でしたが、最近の知見によると2世紀なかばころにさかのぼることができるようです。

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