健康食品、化粧品、はちみつ・自然食品の山田養蜂場。「ひとりの人の健康」のために大切な自然からの贈り物をお届けいたします。
夏の間、子供達を招いてエコスクールを開催していた養蜂場はすっかり静まり、まわりの森の広葉樹が紅葉し始め、とりわけハゼの葉が真っ赤に染まっています。コナラやクヌギなどのどんぐりも実をつけて、いよいよ秋も深まった感があります。
夏の間、蒜山や山の麓の涼しい木陰に並べていた巣箱は、もう南の暖かい養蜂場へ移動の準備が終わりました。今では蜜源になる花の種類もすっかり減り、ミツバチは名残のハギやコスモス、そして今が盛りのセイタカアワダチソウなどに忙しく通っています。秋の花の蜜や花粉は、ミツバチが冬の間、巣箱の中で寒さに耐えながら、来年の春まで生きのびるためのものですから、冬を迎える準備として、とても大事な意味を持っているのです。
巣箱の移動も養蜂の仕事の中では重要な作業の一つです。花の時期に合わせ、また気温の変化に合わせながら、一年間に数回巣箱の場所を変えます。昼間はミツバチが外に出ているので、日が沈んでからの仕事となります。移動先の養蜂場に着く頃にはもう真っ暗闇になっていますが、それでも巣箱を並べて巣門を開けてやるまでは手を抜けません。懐中電灯の明かりで巣門の釘を抜き、全部の巣箱の入り口を開けてやると、「やれやれ」と腰を叩きながら、やっとひと息。
これもミツバチたちに、寒い冬を無事に越してもらうため、そして来年また活躍してもらうため、今の季節の大事な作業なのです。
山田養蜂場の蒜山養蜂場
今年も鏡野町の農家の方々にれんげの種を配り終えました。れんげの種を播く一番良い時期は9月後半、ちょうど彼岸花の咲いている頃です。昔、手で稲刈りをしていた時代には、まだ刈り終わらない稲穂の上から、れんげの種を振り播いていました。そうすると、適度の湿気があるために、稲刈り前にれんげが芽を出し、雪が降り始める前にある程度草丈が大きく育ち、春になってからの生育が良いのです。
しかし、今ではお彼岸の頃にはすっかりコンバインで刈り取られ、稲藁が切り刻まれた上に播種するようになりました。この一帯がれんげの大産地と言われた頃とは比べようもありませんが、少しでもれんげ田を増やしていけたらと努力を続けています。
れんげに限らず、蜜源となる植物が減少している現在、私たちは栽培養蜂という、積極的に蜜源の草木を植え、ミツバチにとっての快適な環境を作る新しい展開を考えていかなければならないと思います。
9月中旬〜10月に咲くソバ。10〜11月 にはハギ、コスモスなどが咲き誇ります。