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From Bee Farm

みつばち広場

養蜂の現場から


秋の訪れとともに来年に向けた準備を開始
藤善さん 山田養蜂場 養蜂部
小野 誉幸



 養蜂場の暑い夏がようやく過ぎたばかりですが、私たちはレンゲの種まきなど、もう来年の春へ向けての準備に取りかかっています。
 秋だけではなく、季節の移り変わりは早いものです。それぞれの季節ごとに花の咲く期間が、もう一週間ずつ長かったらなぁと思うほど、養蜂業の一年は本当に短く感じます。

 お盆の頃に咲く「カラスサンショウ」とその後に続く「タラノキ」や「ヌルデ」の花が咲き終わると、
藤善さん
春から次々とミツバチが集めてきていた雑木林のはちみつもほぼ終了となります。今では里の「コスモス」がそろそろ終わりに近くなり、これから休耕田や空き地を黄色に染める「セイタカアワダチソウ」が花を咲かせ始めます。「セイタカアワダチソウ」のはちみつは、普通 は採蜜しませんので、食べたことはありませんが、いかにもおいしくなさそうですね。しかし、ミツバチにとってはとても貴重な蜜源であり、越冬に必要な花の蜜を大量 に供給してくれるのです。




 立秋を過ぎた頃から、最大の天敵であるスズメバチがミツバチの巣を襲いに来ています。  このあたりにはスズメバチの中でも、一番体の大きいオオスズメバチがかなり多く、地元の人も「オニカ」と呼んで恐れています。お盆に入る前には、スズメバチ駆除器を取り付け、襲来には十分な備えをしていますが、それでもかなりの巣箱が被害を受けています。
 もともとスズメバチのいないヨーロッパが原産地で、家畜として飼育されてきたミツバチですから、私たち養蜂家が守ってやらなければならないのです。
 ミツバチは数の多い強い群では、命がけで自分たちの群れを守ろうと、スズメバチに向かって行き、かえって大量 に殺戮されてしまうこともあります。巣箱の入り口の前に、スズメバチの大あごで一噛みされて死んだ働き蜂が、山のようになっているのを見つけると、とてもつらい気持ちになります。また、数の少ない弱い蜂群は、ガチガチと大きなあごを鳴らせながら、外を飛び回るスズメバチに恐れをなして、巣箱から出なくなります。そうすると、巣箱の中の蓄えが少なくなり、産卵も減り、しだいに働き蜂の数も減っていってしまうということが起こります。油断していると、何匹ものスズメバチが巣門から巣箱の中に入り込み、巣箱全体が大きな被害にあうこともあります。中の幼虫を引っ張り出し、団子にして巣へもって帰り、自分たちの幼虫に食べさせているのです。
 スズメバチも自分たちの群れを守り、次世代に命を引き継ぐという、自然界の宿命を持っているわけですから、仕方がないとはいえ、やはり巣箱の一群が全滅状態にされると、養蜂家として憤りを感じてしまいます




藤善さん
 最盛期には、一箱の巣箱の中に、4万匹を超えるミツバチがいましたが、スズメバチの被害がなくても、秋風が吹き始めるとともに、徐々に蜂の数は減ってきます。そうすると、産卵とはちみつや花粉の貯蔵に使っていた巣板が不要になってきますので、私たちは減っていくミツバチの数に合わせて巣板を抜き取ります。ミツバチの数に比べて、巣板の方が多いとミツバチがまばらになってしまい、いつも35℃前後に保たれている巣箱の中の温度が下がってしまうので、いつも適度に密集させておく必要があるのです。
 こうして、養蜂家の秋は、あっという間に過ぎていきます。



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